食事で気になる添加物の種類
健康のことを考えると、食品に使用されている食品添加物のことが気になるという人もいるのではないでしょうか。そもそも食品添加物とは何なのか、どのような種類があるのか……ここでは食品添加物について知っておくべきことについて解説しましょう。
■ 食品添加物とは
食品添加物の定義は、食品衛生法(第4条第2項)には次のように書かれています。
添加物とは、食品の製造の過程において又は食品の加工若しくは保存の目的で、食品に添加、混和、浸潤その他の方法によって使用するものをいう。
食品添加物を使用する目的は、その食品を腐りにくくするため、品質の低下を防ぐため、味や香りを付けるため、食品を形造ったり独特の食感を持たせるため……といったことが挙げられます。
一般的には、保存料、甘味料、着色料、香料などと呼ばれるものが食品添加物に当たります。現在、日本で使用が認められている食品添加物は1500種類以上存在すと言われており、食品を製造する際に使われた食品添加物は、原則として製品のパッケージに表示されています。
■ 食品添加物は身体に良くないの?
現在、日本では、食品添加物の安全性について食品安全委員会が検証と評価を行い、これを受けて厚生労働省が人の健康を損なう恐れのないものと判断すれば、使用基準を定めた上で、使用を認めています。
また、輸入品においても日本で認められていない食品添加物を使用している食品は輸入できない決まりになっており、輸入届出手続きなどで厳しいチェックが行われています。そのため、通常は食品添加物に関して、健康に害があるなどの心配をする必要はあまりないと言えるでしょう。
ただ、国が使用を認めている食品添加物であっても、中にはその大部分または一部について、安全性を疑う人もいます。指摘されることが多い危険性としては発がん性や、アトピー、花粉症を誘発するといったことが挙げられます。食品添加物について不安を感じるという人は、なるべく無添加の食品を選ぶようにしたほうが良いでしょう。
■ 食品添加物の落とし方
食品添加物が気になる人のために、食品添加物を除去、あるいは軽減するための方法も考案されています。例えば食品添加物はお湯に溶けやすく、下ゆでや湯通しをすることで落とすことができると言われています。
また、酢を薄めた割り酢、醤油を薄めた割り醤油、大根おろしを入れたお湯などで下ゆでするのも良いとされます。これらは実は、余計な塩分などを落とすときに用いられる伝統的な手法でもあります。加工品など食品添加物が使われている食材を料理に用いるときは、まずこれらの下処理を行うことを習慣付けてみてはいかがでしょうか。
■ 食品添加物の種類
食品添加物にはどのようなものがあるのか、国が定めている種類についても知っておきましょう。
天然香料
天然香料は食品に香りをつけるために使用されます。「天然」とついているのは動植物から得られる物質に限られるためで、食品衛生法では使用できる約600品目の動植物名が「天然香料基原物質リスト」に記載されています。花、草木、果実など植物由来のものの他、ビーフ、ポーク、チキン、カツオブシ、ホタテ、エビ、カニなどから抽出した動物由来の天然香料も存在します。
指定添加物
食品衛生法第10条に基づき、厚生労働大臣が安全性と有効性を確認して使用を許可した食品添加物が指定添加物です。大半は化学的に合成されたもので、一部、天然物由来のものもあります。平成27年9月18日改正の指定添加物リストには、449品目が登録されています。
既存添加物
指定添加物以外の、日本で長年、広く使用されてきた食品添加物が既存添加物で、天然添加物のみが対象となっています。平成26年1月30日改正の既存添加物名簿には365品目が記載されています。
一般飲料食物添加物
通常は食品や飲み物として飲食されているけれども、使い方によっては食品添加物としても利用できるというタイプの添加物です。イチゴジュースなどがこれに該当します。
食品添加物のことが気になるという人は、これらを参考に、日頃から食品の表示をチェックしておきましょう。なるべく添加物が使われていないものを選ぶことを習慣付けるのも大切です。まずは食品を買う際、パッケージにある表示を確認するところから始めてみましょう。
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