一日三食食べる必要性を歴史から学ぼう
「食事は一日三食」というのはいつ頃から始まり、どのようにして定着してきたのでしょう。また、三食をとる必要性はどんなところにあるのでしょうか。今回は、一日三食食べる習慣の歴史や根拠についてご紹介しましょう。
■ 昔から日本では一日三食食べられている?
一日三食というのはどの程度、昔から続いているのでしょうか。実は日本ではもともと、朝夕の二食というのが普通だったようです。
その記述は平安時代中期の「枕草子」に出てきます。清少納言が大工が昼に食事をしている姿を見て、朝と夜以外になぜ食べているのかと書いている一節があります。 当時、肉体労働者のみ昼食を含む三食をとり、その後、鎌倉時代になると宮廷がいち早く三食を取り入れるようになりますが、しかし広く庶民の間に三食が広まるには至りませんでした。
■ 一日三食食べ始めたのはいつから?
三食が定着し始めたのは江戸時代の後半になってからだと言われています。理由は庶民の間にロウソクや行灯(あんどん)が普及したことと関係があるという説が有力です。
普及したことにより、日が落ちても灯りを使って生活することができるため、寝る時間が遅くなり、昼にもう1食とるようになったというわけです。
また、一日中働くためには朝食と夕食だけでは体力が持たず、昼食を食べるようになって三食が広まったという説もあります。
いずれにしろ、その後、明治時代に入ると一般の人たちも労働時間が長くなり、本格的に一日三食が定着しました。これは日本だけではなく、世界的に見ても三食文化が広まったのは近代になってからと言われています。
■ 一日三食が提唱されたのはいつから?
公式に一日三食が提唱された年というのもあります。約80年前の1935年(昭和10年)、国立栄養研究所の佐伯矩医学博士が一日三食を提唱したというものです。
当時の成人男性に必要な一日の摂取カロリーは2500~2700kcalとされ、それを実現するためには一日三食が必要というのがその根拠でした。
ちなみに現在では、成人の必要な摂取カロリーは平均して1,800~2,200kcalとされています。
■ 一日三食の必要性
では、現代人にとって、一日三食というのは根拠のある回数なのでしょうか。諸説はありますが、農林水産省では現在も「一日三食を規則正しくとること」を推奨しています。食事を抜く習慣がある人のほうが体重は重い傾向にあるということも指摘されています。
また、夕食はついたくさん食べてしまいがちなものですが、そのせいでエネルギーをとりすぎてしまう可能性があるので、夕食は軽めを心がけることも国が提案しています。
一般的にも、一日二食以下にすると身体が軽い飢餓状態となり、脳がエネルギーを蓄えたいと判断して、一回の食事から多くのエネルギーを吸収して身体に蓄えようとする……といった説はよく耳にします。これが、食事を抜くと太りやすくなってしまうメカニズムだというわけです。
また、脳を十分に活動させるためには、一日三回の食事によって栄養源を過不足なく供給することが必要で、そのことが脳の老化やボケ防止にも役立つとする意見もあります。
一日三食の歴史は意外に新しいものですが、少なくとも今のところこれを守るのが健康のために良いという意見が多数派です。また、ただ食べれば良いというわけではなく、栄養バランスを考え、規則正しく食事をとることが大切だということもしっかりと再確認しておきましょう。
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